美容大国と言われるだけに、女子旅でも人気が高い“タイ”。タイ式マッサージといったスパやビーチリゾートのほか、おいしいタイ料理を目的に旅する方も多いのではないでしょうか。
タイ料理の中でも人気が高いメニューの一つ、“トムヤムクン”は、実は美容にもよいビューティーフード。本場タイでは、さまざまなバリエーションのトムヤムクンを味わえます。
そこで今回は、フードアナリストの筆者が、現地タイで出会った“トムヤムクン”のバリエーションとともに、管理栄養士に聞いたタイハーブの美容効果についてご紹介します。
「トムヤムクン」ってどんなスープ?
タイ料理を代表するメニューの“トムヤムクン”は、タイ語で、“煮込んだ(トム・ヤム)海老(クン)”という意味。スープに唐辛子をたっぷり使っているのが特徴です。
唐辛子の辛味成分である“カプサイシン”は、食べると代謝が上がり、脂肪燃焼をサポートすると言われています。
唐辛子がたっぷり入っているだけでも「デトックス効果が高まりそう!」なんて期待しちゃいますが、さらにトムヤムクンにはレモングラスやカフィアライム、タイショウガなどたくさんのハーブが使われています。これらの効果については後ほどご紹介しますが、トムヤムクンは、美を意識する女性ならすすんで選ぶべきメニューと言えるのです。
では、まずは筆者が現地タイで目にした“本場のトムヤムクン”をご紹介しましょう。
1:スープの色が薄いトムヤムクン
“トムヤムクン”と聞くと、真っ赤なスープを想像する人も少なくなさそうですが、本場タイでは、スープが透明に近いものもあります。
この写真のスープは唐辛子の量が少なめにつくってあるとのことで、辛さはほとんど感じず、酸味も少なくまろやかな味でした。
「トムヤムクンって、辛いし酸っぱいスープでしょ? 苦手~」なんて思っていた方は、本場ではこんなまろやかなトムヤムクンを選ぶこともできますよ。
2:スープが少なく具沢山のトムヤムクン
本場タイでは、スープがほとんどなく具材がたっぷりのトムヤムクンもあります。写真手前のものは、実は“トムヤムクン”。
ハーブ類が入っているところは、一般的な“トムヤムクン”と同じですが、エキスがたっぷり入ったスープを楽しみたい女性にとっては、やや物足りないかもしれません。
そのぶん、野菜も含め具材がたくさん入っているため、満足感がたっぷり。“食べるトムヤムクン”なら、メインにもなりそうですね。
3:一番赤みがあるものでもこれくらい…
最後にご紹介するスープは、筆者が現地で食べた“トムヤムクン”の中でももっとも赤みがあり、辛味と酸味があったスープ。
それでも、多くの日本のタイ料理店で提供される“トムヤムクン”よりは色は薄めです。
「赤い色をしていないと、唐辛子の味がしないのでは?」と思う女性もいるかもしれませんが、食べてみると、辛さと色は必ずしも比例しないことがわかります。
トムヤムクンに含まれるハーブにはどんな効能があるの?
“トムヤムクンは美容フード”なんて言われることもあるだけに、使われているハーブにどんな効能が期待できるのかは正しく知っておきたいところ。そこで、管理栄養士の渡辺亜里夏さんに、トムヤムクンに含まれているハーブである“レモングラス”、“カフィアライム”、“タイショウガ”に期待できる効能を取材しました。
まずは、摂取する際にやや注意事項もある“レモングラス”から。
「レモングラスには、“シトラール”という香り成分が豊富に含まれています。シトラールは血管拡張作用を持ち、血流をよくしてくれることから、むくみや冷え性の改善に有効とされています。
ただし、妊婦や授乳中の方は、子宮出血を誘発する場合もありますので、多量の摂取は控えた方がよいでしょう」(渡辺さん・以下「」内同)
続いて、“カフィアライム”と“タイショウガ”です。
「カフィアライムは、日本では“こぶみかん”という名称でも呼ばれています。かんきつ類の一種で、葉っぱにもビタミンCが含まれています。また、ベータカロチン(ビタミンA)の数十倍から百倍の効酸化作用があると言われているので、アンチエイジングに有効でしょう。
タイショウガは日本では“ナンキョウ”とも呼ばれているショウガ科の香辛料です。カフィアライムと同様にベータカロチンの数十倍から百倍の抗酸化作用があると言われています。また、タイショウガに含まれているACAという成分は、コラーゲン合成を高める作用があるとされ、健康維持やアンチエイジングに対する効果が期待されています」
以上、本場の“トムヤムクン”事情と、トムヤムクンに含まれるハーブの効能についてご紹介しました。
「美容は体の中から!」と食にも気を使っている方は、さまざまな効能が期待できるトムヤムクンを楽しんでみてはいかがでしょうか?
【取材協力】
渡辺亜里夏・・・大学卒業後、予防医学に興味を持ちドラッグストアへ就職。その後独立し、現在はフリーランスの管理栄養士として特定保健指導、ダイエット指導、コラムの執筆、企業様での研修などを中心に活動。いつまでも体と心を健康に保ち、人生を輝かせられる女性のサポートがしたいという想いで、食の大切さを伝えている。